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9月12日 姫路市議会 本会議質問

IMG_2510 (800x533) (607x462) 9月12日(月)姫路市議会本会議質問でした。

昨年4月の初当選以来、5回目の本会議質問です。当然、回数は一番です。少数会派ですから自然と多くなります。

今回は持ち時間が16分と短かったので3項目でした。以下のとおりです。

 

通告に基づき、3項目質問します。

1項目めは、先の国会で自民、公明、民進3党の9議員により衆議院に提出され継続審議になっている「部落差別の解消の推進に関する法律案」についてです。

ご案内のように同和対策は、1969年の同和対策特別措置法制定以来33年に渡り、様々な取り組みが国、地方合わせて約16兆円を掛けて実施されてきました。これら事業のための特別法は地対財特法をもってその役割を終え、2002年3月で失効しています。

総務省地域改善対策室は特別対策を終了し、一般対策に移行することを決定した際、その主な理由を3つ挙げています。1つは、特別対策は本来、時限的なものであり、これまでの事業の実施によって同和地区を取り巻く状況は大きく変化したこと、2つ目として、特別対策をなお続けていくことは差別解消に必ずしも有効ではないこと、3つ目として、人口移動が激しい状況の中で、同和地区、同和関係者に対象を限定した施策を続けることは実務上困難である。この3点です。

さらに、20023月、特別法が終了したときに総務省が「同和行政史」という本を発行しています。この中に、同和特別対策を終了する理由が次のとおり詳しく述べられています。

第1の理由である同和地区を取り巻く状況の変化については、同和関係者が同和関係者以外の者と結婚するケースは大幅に増加の傾向を示しており、差別意識も確実に解消されてきたことが伺えること。 第2に、特別対策は、差別と貧困の悪循環を断ち切ることを目的として始められたものですが、全国の同和地区を全て一律に低位なものとして見ていくことは、同和地区に対するマイナスのイメージを固定化することになりかねず、問題の解決に有効とは考えられないと断言しています。 第3の理由についても、産業構造の変化と大規模な人口変動の状況下では、同和地区、同和関係者に対象を限定した施策を継続することは実務上困難としているわけです。

ところが、現在、国会で継続審議になっている同法案は、以上のような客観的事実があるにもかかわらず、「部落差別の実態」調査を行い、「部落差別」に関する相談に応じる体制、「部落差別」を解消するための教育及び啓発、その他の施策を講ずるとしています。

同法案には、「部落差別」の定義規定がありません。そもそも「部落差別」を定義規定した法律は特別対策を行っていた過去にも、そして現在にも存在しないことは衆議院法務委員会での審議の中で、法務省、総務省もはっきりと認めているところです。その意味でも、定義規定のない「部落差別」なるものをどのようにして実態調査を進めるというのでしょうか。再び「部落」の線引きをして、“身分あばき”をし、新たな差別の掘り起こしによる人権侵害につながりかねず、調査を続けることで「部落差別」を固定化・永久化する危険をはらむものです。しかも、これまで存在した法律のように時限立法ではなく、恒久法の形式になっています。

そこで、お伺いいたします。

まず1点目は、この法案が成立すると、地方公共団体は定義規定もない「部落差別」の実態調査を実施し、「部落差別」を解消するため必要な教育及び啓発をおこない、相談体制を充実させるなどの施策を講じなければなりません。部落差別を客観的に特定することができない、「心理」の中に存在するという根拠ない前提にたった法律の下で、施策を展開することについて、どう対処するお考えか、お聞かせください。

2点目は、姫路市としてこれまで行ってきた同和行政に対する市長のご見解をお聞かせください。

3点目は、同法案は、無定義の「部落差別」なるものを恒久法で固定化し、さらには作り出していく恐れもあります。これまでの同和問題解決の過程の到達点に照らしても、総務省の指摘によっても同法案を必要とする立法事実はありません。速やかな廃案を求めるべきです。市長の明確なお考えをお示しください。

 

2項目めは、住宅・店舗リフォーム助成制度を創設することによる地域経済活性化策についてです。私は昨年6月の第2回定例会本会議で全国の多くの自治体で実施しているこの施策を是非、姫路市でも取り組むべきと質問しました。それ以前にもわが党議員が繰り返し取り上げ、姫路市での実施を求めてきました。

市長の答弁は、極めて残念なことに一貫して否定的で、後ろ向きのものでありました。

私が、昨年本会議で主張した主旨は、安倍政権のアベノミクスで、大企業応援施策が展開され、加えて消費税増税の影響でGDPの6割を占める個人消費の深刻な低迷が続き、日本経済は回復の兆しがありません。個人消費の拡大は勤労者所得を豊かにする政策の実施が何より求められるところです。そして、個人消費とともに、もう一方の日本経済の担い手である中小企業、中でも零細事業者の生業を応援することが大変重要だということです。1昨年6月に小規模企業振興基本法が国会において全会一致で制定されたことも、そして、昨年、兵庫県において、中小企業振興条例が作られたことも、その重要性に着目したからに他なりません。こういう観点から地域経済活性化の起爆剤というべき住宅・店舗リフォーム助成制度の創設を主張した訳です。

そこで、再びお伺いします。住宅・店舗リフォーム助成制度は自治体内に住所、住宅・店舗を持つ住民が、自治体内の事業者に施工させるリフォーム工事に補助金を出す制度です。地元工務店を始め、地域の小規模事業者の仕事を興し、地域での雇用創出を図り、地域経済の好循環を誘発する地域密着型の経済振興施策として、近年全国の自治体に急速に広まっています。これは、この施策がいかに有効で、住民の願いに応える事業であるかが認められた、試され済みの制度であるということです。2015年度調査では、実施自治体数は住宅助成が603団体、店舗助成が55団体です。

先月、私は市議会経済委員会の一員として群馬県高崎市の「まちなか商店リニューアル助成事業」を視察してきました。高崎市は、この事業を平成25年度に当初予算1億円でスタートさせ、3億4千万円の補正増を行い、初年度はトータル4億4千万円の補助金を出しています。次年度から3億5千万円の当初予算を組んでいます。全国から注目されて視察が相次ぎ、大変な評判を受けています。当初は平成25年度から3カ年の予定でしたが、好評で4年目の本年度も実施しています。高崎市の担当者からお聞きしましたが、私たち経済委員会が高崎市をお訪ねする少し前に、姫路市職員がこれらの事業の調査のために高崎市を訪れていることを知り、驚くとともに、大変うれしく思いました。

 そこで、以下3点お伺いします。

1点目は、先行実施している自治体の状況調査を行うということです。全国で4割近い自治体が実施していますが、これだけの自治体に広まった施策ですから、その有効性が実証されているからこそと考えられます。高崎市に職員を派遣するなど調査を始められました。これら先行自治体の調査を今後、どの程度行う予定ですか。明らかにしてください。

2点目は、地域経済活性化策としての効果を認めるということです。京都府与謝野町が京都大学に依頼して、この事業の経済波及効果を調べています。それによると投入補助金の約24倍という試算が示されています。経済活性化策として評価する方向に舵を切ることを求めます。ご見解をお示しください。

3点目は、姫路市でも住宅・店舗リフォーム助成制度の創設をということです。これだけ全国の自治体に広がっている制度ですから、地域経済活性化策として姫路市でも住宅・店舗リフォーム助成制度の創設を強く求めます。以上、前向きなご答弁をお願いします。

 

3項目めは、手柄山平和公園と名称変更を提案している、手柄山中央公園の太平洋戦全国戦災都市空爆死没者慰霊塔についてです。

この慰霊塔は、武器のシンボルである剣を地中に突き刺した形で「もう戦争はしない、戦争という名の剣は、二度と抜かない」と未来に向けた不戦の誓いを表現しています。いわば、日本国憲法第9条の精神を表現し、未来にそして世界に発信したものです。昨年9月、戦争法だとして速やかな廃止を求めている安保関連法が成立し、戦争の足音が耳元で聞こえる情勢の今日、この慰霊塔の「不戦の誓い」を改めて肝に銘ずる時と考えます。

ところが、先月、この慰霊塔の維持管理を国に要請することを姫路市長が表明したと神戸新聞が報じました。現在管理を担っている「慰霊協会」の財政状況が厳しくなっているなどの事情のようですが、これは、余りにも唐突といわなければなりません。

そこで、お伺いいたします。

1点目は、慰霊塔の管理のあり方は、市議会始め、市民的な論議が必要ではないかということです。慰霊塔は、全国の空爆被災都市からの寄付金で建立され、「慰霊協会」が維持管理を担当して来ましたが、姫路市の平和行政推進のシンボルでもある訳です。国に維持管理を要請するとの発表は、市民にとっても唐突でありました。このような発表に至った経緯を明らかにしてください。また、慰霊塔の管理のあり方については、市議会始め、市民的論議が必要ではありませんか。ご見解をお願いします。

2点目は、多くの国民の反対を無視して強行した安保関連法成立から1年が経過し、恒久平和の大切さが再認識されている今日です。そして、今年は「慰霊塔」の建立から60周年に当たります。10月26日の追悼平和祈念式は、今年こそ、首相のご出席のもと、節目の年にふさわしく「不戦の誓い」を立てる祈念式とすべきと考えますが、市長のお考えをお伺いして、第1問を終わります。

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